千葉県議会議員『松戸たかまさ』の県政レポート

千葉県議会議員「松戸たかまさ」の考える政策、議会で取り上げた政策を中心に、出来る限り分かりやすく書いていきます。

2016年04月

千葉県の人事評価制度改革

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県職員の人事評価制度改革については行政改革の目玉の一つとして、これまで本会議でも委員会でも取り上げてきたテーマです。


県職員の人事評価制度については、大きく2つの問題を指摘してきました。


第一の問題点は、評価結果に殆ど差がつかない点です。


これまで、千葉県の人事評価制度は基本的にS・A・B・C・Dの5段階評価となっていました。
ただ評価結果を見てみると、標準以上のS・A・B評価にほぼ100%の職員が該当し、C・D評価はほぼゼロとなっていました。
これは評価制度が相対評価ではなく、絶対評価であるため生じた問題でした。


第二の問題点は、評価結果が職員の処遇に殆ど反映されていない点です。


評価結果は、本庁課長級以上の勤勉手当額に反映されるのみであり、結果が処遇に反映されるのは、県職員の5%弱にすぎない状況でした。


このような人事評価制度が、悪平等を助長してきたといっても過言ではありません。


県職員の方々を適正に評価する制度を作り、その評価を広くそして適切に職員の処遇に反映させることで、真面目に頑張って働いている県職員の方々の姿勢に応え、そうでない職員にはもっと頑張って働いていただく。
そういった制度設計が、千葉県の利益につながると考え、議会でも提言を続けてきました。


この人事評価制度改革ですが、ようやく地方公務員法の改正に伴い、4月1日から新たな能力主義の人事評価制度が導入されることになりました。
国の方針とはいえ、一歩前進です。


今回の人事評価制度改革によって、適用範囲が拡大され、相対評価が導入されることになります。
人事評価の重要性がこれまで以上に増加することになりますが、その際重要となるのが、「どういった人材を、どのように評価するか」という点です。


人事評価制度改革がなされても、有為な人材を適切に評価しなければ、むしろ評価制度改革がなされない方がマシだということになってしまいます。


上司の方だけを見て仕事をする職員が評価される制度になっていないか?
千葉県民のために頑張っている職員が適切に評価されるのか?
納得感のある評価結果にするためにどうするべきか?


他の自治体では上司だけでなく部下や同僚など360度評価・多面的評価を実施しているところもあるとのことです。
千葉県でも360度評価・多面的評価の導入を提言しました。


人事評価制度改革にゴールはありません。
住民の方々に評価される公務員像に近づけるよう、これからも人事評価制度の改正に関して提言を続けていきたいと思います。


千葉県議会議員
松戸たかまさ

認知症(徘徊対策・GPS等の活用)について

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本日は「認知症(徘徊対策・GPS等の活用)について」です。


認知症を患う方の数は、2012年時点約462万人から、2025年には700万人を超えるとの推計が厚生労働省から発表されています。
私の父も認知症を患っていますが、認知症の方の介護で最も苦労することの一つに「徘徊」が挙げられます。


在宅介護の場合には、徘徊をする認知症の方を四六時中見守りしなければいけないという精神的・肉体的な負担に加えて、特別な条件の下では監督責任という法的な義務が生じることもあります。


つい先日、認知症男性の鉄道事故死の訴訟において、「家族に責任なし」として監督義務を限定する判決が下されました。
しかし、認知症の方による被害はどのように救済されるのか、家族はどうしたらいいのか、政策として今後どうしていくのか、まだまだ整理されていない問題は山積みとなっています。


千葉県の認知症の方の徘徊の状況は以下の通りとなっており、徘徊をしてしまう本人のためにも、また家族の負担や社会的コストを軽減するためにも、より効率的かつ効果的に認知症徘徊者を見つけ出す仕組みを社会で構築する必要があると考えます。


【平成27年における本県の認知症等徘徊者の状況】
認知症等行方不明者の届出:253人(前年比49人の増加)
253人の認知症等行方不明者の内、現段階で発見されていない方は7人、死亡状態で発見された方は13人


先日、群馬県高崎市と高崎警察署が、GPS位置情報の共有に関する協定を締結したようです。GPSの活用により、認知症徘徊者の捜索が劇的に効率化されるとのことでした。
しかし、これまでGPSは、認知症の方に身に着けてもらうことが非常に困難であり、その点において中々利用が進みませんでした。
しかし、私も現場で色々な技術を調査させていただいましたが、ようやく認知症の方が意識せずに身に着けることの可能なGPSが市販されるようになり、少しずつですがGPSの利用も進んでいるようです。


今回の予算委員会では、GPS等見守り支援機器の積極的な活用を推進するよう提言しました。
尚、同じ東京圏の神奈川県では既に県単独の補助金を導入するなど、先端技術の活用に対して非常に積極的であるのに対して、千葉県は大きく出遅れている状態です。
これからも提言を続けたいと思います。


この見守り支援機器の導入に関しては、国も平成27年度補正予算で導入促進事業を実施しています。
この事業の中で、ようやくこれまで補助対象となっていなかった徘徊者の見守り用のGPSが補助対象となりました。
上限額として10万円が設定されていますが、補助率は100%です。


しかし、千葉県内における申請件数はゼロ件でした。
これは何故なのでしょうか。
決してニーズがない訳では決してありません。
このようなGPSを特に必要としている在宅介護者のもとに、この事業の情報が届いていなかったのが大きいのではないかと思います。
この事業が急遽決定したため、各自治体は2週間程度の期間で各家庭にお知らせして、各家庭の意向を収集しなければいけなかったのです。
実務的に実現困難だと言わざるを得ません。


今後の社会にとって有意義な事業であるため、在宅介護をしている方々にも当該事業を活用していただけるよう、使い勝手を良くするために県から国へ提言して欲しいと強く要望しておきました。


千葉県議会議員
松戸たかまさ

政治から社会にイノベーション(技術革新)を!

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2月・3月定例県議会の予算委員会で取り上げたテーマを、何回かに分けて報告致します。
今回は予算委員会の概要についてです。


予算委員会は3日間に亘り開催されます。
私の持ち時間は1日15分、3日で45分間です。
この45分という時間は、私の質問時間と執行部の答弁時間を合計した時間になります。


実は予算委員会の難しさの一つに時間配分があります。
執行部が嫌がらせのように長い時間をかけて答弁をすれば、それだけ質問時間が削られることになるため、自分の使える時間を正確に予測するのが難しく、どこまで質問をするべきか、どこまで質問の背景を説明するべきか、その調整が難しいのです。


今回の予算委員会では以下の通り6つの質問を取り上げました。


【1日目】
1.認知症(徘徊対策・GPS等の活用)について
2.マイナス金利が基金運用に及ぼす影響について

【2日目】
1.人事評価制度について(公務員制度改革)について
2.大規模災害発生後の生活支援について

【3日目】
1.農業の成長産業化について
2.社会インフラ点検(インフラ老朽化対策)におけるロボットの活用について


今回は、「政治から社会にイノベーション(技術革新)を!」という思いを特に強く持って、質問しました。
財源不足、人手不足の問題が、今後ますます深刻になる可能性が極めて高い状況となっています。
そういった状況の下、新たな技術(ICTやロボット等)を積極的に、そしてスピード感覚を持って導入していき、効率的かつ効果的に行政サービスを提供できないものかと考え、今回の予算委員会でも提言させていただきました。


これまで訴えてきた介護分野のロボット導入については、雀の涙程度ですが、2016年度当初予算に県独自の補助制度が創設されました。


非常に慎重かつ保守的な行政であり、新たな取り組みについては進めるのが中々難しいのですが、千葉県の未来のためにこれからも新しい風を吹かせるべく、提言を続けていきたいと思います。


千葉県議会議員
松戸たかまさ
livedoor プロフィール

松戸 たかまさ

1978年松戸生まれ松戸育ち。
実家はラーメン屋。

大学&大学院では経済政策を専攻。
投資銀行・衆議院議員秘書を経て、現在千葉県議会議員。

※詳しい自己紹介は私のHPを見てください。

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